インターネットガバナンスの在り方に関する研究会

インターネットガバナンスの在り方に関する研究会

 インターネットは、現在のグローバルなデジタル社会経済にとって必要不可欠な基盤となっており、その使い方やあり方については、インターネットを利用する世界中のすべての人々の生活、社会、文化、経済、外交などを含む、あらゆることに深く関わっていると言える。

 インターネットの在り方やそれを取り巻く議論、いわゆる「インターネットガバナンス」は、インフラとしてのインターネット自体のルール策定や管理の問題だけではなく、人権、デジタルデバイド、セキュリティ、プライバシー保護、環境問題、インターネットの分断問題など、極めて広い問題となっている。また、かつては欧米からの視点が中心であったインターネットガバナンスにかかわる議論に、近年はグローバルサウスや中国・ロシアなどの動向が大きな影響を与えるようになってきている。

 この研究会では、これまでインターネットガバナンスに関してどのような議論が行われてきたか、またステークホルダーの変遷等について分析研究をおこなったうえで、生成AIなどの新たなイノベーションの出現や複雑化する国際関係の中で、インターネットガバナンスは今後どうあるべきかについて、有識者を交えて議論を行う。

 国連主催のインターネットガバナンスフォーラム(IGF)が2023年10月に京都で開催され、さらに2025年に20年目の節目を迎えるのに合わせ、WSIS+20の議論が始まり、2024年には国連がデジタル社会の在り方についてGlobal Digital Compact(GDC)を発表するなど、将来のデジタル社会とインターネットに関する議論が今後活発に行われることが予想される。当研究会は、こうした場で情報を収集し、意見をまとめて発信することにより、将来のインターネットガバナンスの在り方に関するグローバルな議論に貢献することを目的とする。

主査:上村 圭介(大東文化大学 教授)
委員:西岡 洋子(駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部 教授)
   山中 敦之(神戸情報大学院大学 特任教授)
   小宮山 功一朗(慶應義塾大学SFC研究所 上席所員)
   前村 昌紀(日本ネットワークインフォメーションセンター 政策主幹)
   飯田 陽一(総務省 国際戦略局 情報通信国際戦略特別交渉官)


第1回会合 
11月10日(金)18:00-20:00
<今後のアウトプットについて>
研究会での活動内容について、深刻化するグローバルサウスや中国・ロシア等の問題だけでなく、実際に軍事的な紛争が勃発している国際情勢において、国連GDCだけではなく、広く様々なグローバルな議論の場を視野に入れて議論していく。また、2025年に向けてWSIS+20で検討される予定のIGFの将来についても、マルチステークホルダープロセスでの議論の重要性と問題点を合わせて議論し、国・地域別組織(NRI)の在り方についても議論された。
また、京都でのIGF2023が成功に終わり、インターネットガバナンスの今後について、できるだけ多くの人と議論を続けるため、研究会として1-2月にウェビナーを企画することが合意された(2024年2月28日に実施)。

第2回会合 
12月27日(水)10:00-11:30
2023年10月に京都で行われたIGF2023の報告書への委員の寄稿を事務局より依頼。また、MAG会合で発表された、2024年のIGFの年間スケジュール予定について事務局より報告し、今後研究会としてどのような活動を行っていくか、意見交換を行った。

第3回会合
1月18日(木)16:00-17:30
 MAG会合報告として、IGF2024の日程が2024年12月15-19日に決定したこと、またIGFリーダーシップパネル(議長:Vint Cerf氏)が2023年10月に発表したInternet We Want(IWW)と題するペーパーについて、今後の具体的な活動内容が公表されたことを事務局より説明。

第4回会合
2月15日(木)16:00-17:30
 国連が2月末までの期限で行っているWSIS+20に関する意見募集に研究会として提出する意見について検討を行った(2月29日に意見書提出)。また、2月28日のウェビナーでのディスカッションの内容について意見交換を行った。