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インド経済・月次情勢報告 2026年7月


 

<ヘッドライン>
【1】 7/6~11 モディ首相がインドネシア、オーストラリア、ニュージーランドの3カ国を歴訪。各国の大統領、首相と首脳会談。
【2】 6月の消費者物価指数(CPI)上昇率、+4.38%に加速
【3】 6月の卸売物価指数(WPI)上昇率、前年同月比+9.87%
【4】 インドの民間宇宙開発スタートアップ「スカイルート・エアロスペース」(本社ハイデラバード)が人工衛星の軌道投入に成功――
【5】 インド政府、「ゴキブリ人民党」の抗議デモに屈し教育相の辞任要求受け入れ
【6】 7/15 インド政府が半導体産業振興を目指した新たな支援策「セミコン2.0」を閣議承認
【7】 7/22 日米豪印4カ国でつくる「クアッド」がマニラで外相会合
【8】 7/21 トランプ米大統領が後発医薬品(ジェネリック)の関税を2年後に100%に引き上げるとSNSで表明――
【9】 7/24 米政府が通商法301条に基づき、インドや中国、欧州連合(EU)などからの輸入品に10~12.5%の関税を課すと発表
【10】7/10 バングラデシュ前首相、今年12月ごろの帰国の意向を表明
【11】英国・インドFTA(英印包括経済・貿易協定=CETA)が7/15に発効。
【12】6月の乗用車販売台数

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【1】7/6~11…モディ首相がインドネシア、オーストラリア、ニュージーランドの3カ国を歴訪。各国の大統領、首相と首脳会談。

(1) 7/6~8インドネシア訪問。プラボウォ大統領と首脳会談(プラボウォ氏は25年1月にインド共和国記念日の主賓として訪印している)

――首脳会談の成果
・インド太平洋における海洋協力=災害対応や連結性向上など=で一致
・インドがブラーモス巡航ミサイルやアストラ空対空ミサイルの供与で合意するなど軍事・防衛協力が進展
・モディ首相は「我々は改革、遂行、変革を目指している。インドの成長はインドネシアだけでなくASEAN全体に貢献できる」と強調
・対テロ、サイバー分野での協力を確認~政策対話やデジタルインフラ構築、フィンテックなどを促進
・「グローバル・サウス」重視を確認
・インドのデジタル決済システム「UPI」をインドネシアの決済システムと統合することで合意
・重要鉱物のサプライチェーン強靭化や食糧安保、医薬・ヘルスケア部門、宇宙開発での協力を確認
・プラボウォ大統領はスマトラ島西北端に近いウェー島・サバン港開発におけるインドの協力を歓迎
・インド経営大学(IIM)バンガロール校初の海外キャンパスをインドネシアに開設することで合意

(2) 7/8~10…オーストラリア訪問、アルバニージー首相と首脳会談

――首脳会談の成果
・防衛(沿岸警備隊)、海洋安保での協力、年次国防相対話の開催に合意。合同演習やロジ支援、海洋協力の強化を確認
・Make in India とともに、クリーン・エネルギーや重要鉱物加工、先進的製造業支援などを盛り込んだ豪州の産業政策「Future Made in Australia」への協力を表明
・航空宇宙での協力で合意。豪州はインドの有人宇宙飛行計画への協力も表明。
・豪フリンダース大学がベンガルール、ビクトリア大がグルグラムにそれぞれ海外キャンパスを開設する計画を発表
・「開かれたルールに基づくインド太平洋」や日米豪印の「クアッド」の重要性を再確認
・両首脳は22年12月に発効した豪印経済協力・貿易協定(ECTA)を歓迎。非関税障壁を撤廃・軽減し、包括的経済協力協定(CECA)への格上げを目指すことで一致

(3) 7/10~11 モディ首相がニュージーランド初訪問。ラクソン首相と首脳会談
~インド首相として40年ぶりの訪問

――首脳会談の成果
・二国間関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げすることで合意
・防衛、海洋、スポーツ、防災、観光、文化などでの協力を盛り込んだ覚書(MOU)に署名
・2030年までに二国間貿易額(財貿易+サービス貿易)を現行の2倍の3500億ルピー(約36億ドル)に倍増させる目標を設定。そのための通関の円滑化などで合意
・今後15年で、ニュージーランドはインドに200億ドルを投資すると表明
・相互の観光振興などのため、直行便の開設に努力することを確認
・キウイやリンゴ、はちみつ、林業、酪農などの生産性向上で協力
※印・ニュージーランドのFTAはわずか1年余の交渉で26年4月に署名にこぎつけた。FTAによりインドの輸出品は100%関税ゼロとなる。
・ラクソン首相は、インドのSTEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)関連学科の大学卒業生へのビザ発給や、インド人熟練プロフェッショナル5000人の受け入れを表明

≪解説≫
 今回の歴訪では、いずれも「海洋」「安全保障」そして「投資」「貿易」などが主要なテーマとなった。各国とも海洋国家であり、インドとともに東アジアサミット(EAS)の主要メンバー国となっている。特にインドにとってインドネシアはASEANでは2番目の貿易相手国で、24年度の二国間貿易額は約281億ドル。地政学的にもインドネシアのアチェ州からインド領アンダマン・ニコバル諸島までは150キロしか離れていない。この点でもインド・太平洋における防衛・海洋協力、貿易促進には大きな意義があり、ウェー島サバン港開発プロジェクトなども中国に対して一定の「抑え」となりえる。もちろん、原油などの資源に恵まれたインドネシアとの関係強化はインドの国益にも大きく寄与する。

【2】6月の消費者物価指数(CPI)上昇率、+4.38%に加速
 インドの6月のCPI上昇率は前年同月比+4.38%となった。ウエイトが大きい「食料品」が+5.32%で、前月の+4.78%から加速したほか、長く原油価格上昇分を転嫁していなかった国営石油会社が5月以降4回にわたってガソリン、軽油の値上げに動いたことで、輸送部門では+4.31%となり、前月の+1.75%から大きく跳ね上がった。インド中銀のマルホトラ総裁は「利上げは時期尚早」としているが、先行きは不透明。今後、モンスーン期の降水量が平年を下回ったことによる農産物の不作や、原油価格高止まりの影響が出てきそうだ。エル・ニーニョの影響も不安材料だ。

26年6月の消費者物価指数(CPI)上昇率(%)

(データ:インド統計・計画実行省)

【3】6月の卸売物価指数(WPI)上昇率、前年同月比+9.87%
・6月のWPI上昇率はyoy+9.87%。前月5月の+9.68%から上昇。食料品と燃料の価格上昇を反映した。食料品は5月の+4.49%から6.14%に上昇。燃料・電力は+30.33%から+27.41%へと小幅下落したが依然高い上昇率。

26年6月の卸売物価指数(WPI)上昇率(%)        

(データ:印商工省)

【4】インドの民間宇宙開発スタートアップ「スカイルート・エアロスペース」(本社ハイデラバード)が人工衛星の軌道投入に成功――
 18日、スカイルート社は宇宙ロケット「ヴィクラム-1」の打ち上げに成功し、実験用衛星などを低軌道(LEO)に投入した。民間企業による衛星の軌道投入成功はインド初で、世界でも米国、中国に次ぐ3カ国目。KPMGとインド工業連盟(CII)のレポートによると、人工衛星の商業打ち上げ受託やリモートセンシング(地表観測)など、インドの宇宙ビジネスは2025年の約80億ドルから、2033年までに440億ドル規模に達すると推計されている。インドでは2020年に宇宙開発分野への民間の参入を認め、これまでに400社を超える宇宙スタートアップが誕生している。モディ首相は18日、電話でスカイルート社に祝意を伝え、「インドの宇宙探査における決定的瞬間。インド独自の才能と努力が宇宙システムを構築できることを証明した」と讃えた。「ヴィクラム-1」はスカイルート社が独自に開発した4段式ロケットで、積載荷重は350キロ。今回の打ち上げではインドやドイツの小型衛星を高度450キロの低軌道に投入した。

≪解説≫
スカイルート社はISROの科学者だったパワン・クマール・チャンダナ氏(35、IITカラグプル校卒)と、ナガ・バーラト・ダナ氏(33、IITマドラス校卒)によって2018年に設立。23年にはシンガポールのテマセクから2750万ドルの資金を調達するなど、民間企業ならではの積極的な経営を展開。エンジニアリングでも3Dプリンターを活用するなど新技術の採用にも取り組んでいる。今回の軌道投入成功はインドの宇宙ビジネスに民間企業の参入を促すきっかけとなりそうだ。

一方、インドの宇宙開発を一手に担ってきた政府機関・印宇宙研究機構(ISRO)はこれまで、火星探査衛星や太陽観測衛星などの打ち上げに相次ぎ成功。23年にはチャンドラヤーン3号が月の南極近くへの着陸に成功しており、月面に到達した世界4番目の国となった。ISROは月極域探査機(LUPEX)プロジェクトを中心とした月面の水資源探査や、太陽観測などの分野でJAXAと協力しており、米NASAとも地球観測衛星NISARのプロジェクトを進めている。ISROは今後、金星探査船の打ち上げや有人宇宙飛行に挑む計画だ。だがISROにはかねて予算不足による低い給与水準や官僚主義などが指摘されており、これまでにプロジェクトリーダー経験者など100人以上の科学者が退職している。ISROが諸外国だけでなく民間との宇宙開発競争に備えるには、宇宙関連予算の拡大や人材育成、科学者の待遇改善などが急がれる。

【5】インド政府、「ゴキブリ人民党」の抗議デモに屈し教育相の辞任要求受け入れ

インド・モディ政権のダルメンドラ・プラダン教育相が25日、SNS上のバーチャルな政治運動としてスタートし、医学部共通入試の問題漏洩などに対する抗議デモを続けていた「ゴキブリ人民党(CJP)」の要求に屈する形で辞任した。改正国籍法(CAA)に反対する抗議デモを強硬な姿勢で鎮圧したモディ政権としては異例の譲歩。これまでモディ氏を支持してきた若者らの不満を重く受け止めた結果とみられる。

CJPは同日、プラダン教育相の辞任を受け、「政府は入試の無効措置を苦にして自殺した受験生の遺族に対する見舞金支払いや、デモ参加者を罪に問わないことを約束し、主な要求が受け入れられた」として約5週間にわたった抗議行動を中止すると表明した。

CJPのメンバーらは20日、首都ニューデリーでデモ行進を実施。現地報道ではデモには若者ら約8000人が参加。モディ首相やプラダン教育相の辞任を要求した。デモ参加者は行進を阻止しようとした警官隊と衝突し、双方に180人の負傷者が出たほか、若者を中心とする参加者70人が拘束された。政府当局とデリー警察本部は集会場付近のネットや携帯電話を遮断し、一部のメトロ(地下鉄)駅を閉鎖した。CJPの「創設者」で米国在住の政治アナリスト、アビジート・ディプケ氏(30)はデモ鎮圧のため催涙弾を発射し参加者を棒で殴打した警察当局を厳しく非難。あくまでプラダン教育相の辞任を求める考えを示していた。

ゴキブリ人民党とは…スリヤ・カント最高裁長官が5月、職のない若者らを「ゴキブリ」に例えたとされる舌禍事件を発端に、ネットやSNS上で始まった政治運動。5月中旬の立ち上げから1週間でフォロワー数は2200万人に達し、若者の不満を背景に一大ムーブメントとなっていた。

≪解説≫
CJPとその支持者らは6月にディプケ氏がインドに帰国すると連日のように抗議活動を続け、運動は全国に拡大した。これに共鳴した著名な社会活動家で2018年のマグサイサイ賞受賞者ソナム・ワンチュク氏は抗議のハンガーストライキを開始、18日に警察当局がワンチュク氏を強制入院させたことでさらに抗議行動が先鋭化した。21日には国政最大野党・国民会議派のラフル・ガンディー元総裁(ネール初代首相の曽孫、インディラ・ガンディー元首相の孫)が他の野党指導者らとともに首相公邸前のデモに参加し、一時警官隊に身柄を拘束されたことで、抗議デモは野党による政府批判の材料にもなった。

モディ首相は23日、Xで「入試問題に関与したものを厳罰に処す」「受験生の1年間を無駄にはしない」と表明。試験における不正を防止するため実効のある法改正や、迅速な審理を行うための特別裁判所を設置するための手続きに着手する考えを表明。25日にはプラダン教育相の辞任という決断に至った。政権の支持基盤である若者の「反乱」を重く受け止め田「満額回答」だったが、強権的な政権運営を続けてきたモディ氏にとっては打撃となりそうだ。

このように、当初は半ばジョークで始まったCJPだが、その抗議行動が現実の政治をも動かすなど影響は軽視できないところまで来ている。220万人の若者が人生を賭けて挑戦する医学部入試での不正疑惑は、政治への信頼を揺るがす大スキャンダルで、就職難に直面する学生らの不満が経済化し、CPJの抗議行動がSNSなどで拡散されたことで、モディ政権の教育・若者政策にも大きな影響を与えそうだ。

【6】7/15 インド政府が半導体産業振興を目指した新たな支援策「セミコン2.0」を閣議承認

これは、2021年にスタートした「セミコン1.0」つまり「インド半導体ミッション(ISM)」の第2弾で、予算規模は「1.0」の2倍近い1兆2750億ルピー(約2兆1675億円)。「1.0」がゼロからの半導体工場誘致を目指していたのに対し、「2.0」では設計から原材料や製造装置の生産、研究・開発から人材育成まで、内製化と新たなサプライチェーンの構築を目指すという包括的かつ野心的な内容。

「2.0」では6つの「柱」を設定し、それぞれに明確な目標を定めている
(1) 半導体設計…半導体IPやチップ、システムの設計部門を支援
(2) 製造装置と材料…半導体製造装置の生産や、半導体生産に欠かせない化学薬品やガスの製造を担う企業を支援
(3) 前工程工場の誘致…シリコンや化合物、ディスプレイなどへの新規投資を誘致
(4) 後工程部門の強化…ATMP(Assembly, Testing, Marking and Packaging=組み立て、検査、マーキング、パッケージング)とOSAT(Outsourced Semiconductor Assembly and Test=半導体組み立て・検査の受託)の先端技術をインドに誘致
(5) 研究・開発…現在の28~110nmから、さらに最先端の半導体生産を目指す
(6) 人材育成…産学官の協力で半導体エコシステムに関する教育を充実させ、必要な人材を育てる

・同時に政府は「セミコン1.0」の成果も公表。有力財閥タタ・グループや米マイクロン、ケインズ、CGセミなど12件のISM認可プロジェクトで合計1.64兆ルピー(約2.8兆円)の投資が決まっている。このうちマイクロンやCGセミなど3社はすでに半導体の商業生産を開始した。

≪解説≫
悲願だった国産半導体の生産という目標を掲げ、工場の誘致に注力した「セミコン1.0」から一歩進み、「2.0」は半導体サプライチェーンの構築という壮大な夢に挑む。揺籃期のインド半導体産業には多くの課題が残る。工場は誘致しても、製造装置やガス、高純度化学品などの供給網は一からつくり上げる必要があり、これら素材や原材料の安定調達も含めた上流部門の整備が急務だ。そして、インフラの問題ではかねて指摘されているように、周波数や電圧が安定した高品位な電力や、高純度の水の安定供給も求められる。2兆円を超える補助金は確かに高額だが、諸外国の半導体政策で与えられるインセンティブと比べると見劣りがする。インドが半導体の自給と輸出を目指すのであればインフラの改善はもちろん、産業界全体の底上げが不可欠だ。

【7】7/22 日米豪印4カ国でつくる「クアッド」がマニラで外相会合
 会合では、海洋安全保障などを通じてASEANへの支援を強化するとした共同文書を発表した。クアッド外相会合は5月にインドで開いたばかりだが、ルビオ米国務長官は24年9月以来開催されていないクアッド首脳会議の早期開催に意欲を表明した。米国はインドとの関係改善を進め、対中包囲網を強化したい思惑とみられ、クアッドのテコ入れもその一環と考えられる。

【8】7/21 トランプ米大統領が後発医薬品(ジェネリック)の関税を2年後に100%に引き上げるとSNSで表明――
 この措置は24年度に約98億ドル(インドの医薬品輸出総額の約40%)のジェネリックを米国に輸出しているインドにとって大きな打撃となりかねない。26年8月から2年間はジェネリックの関税を従来通り0%に据え置くが、28年8月から100%の関税をかけ、さらに1年後の29年8月からはこれを200%に引き上げる、としている。

≪解説≫
「ジェネリック大国」であるインドの医薬品業界にとって、2年後とはいえ大市場の米国による関税の大幅引き上げはかなりの打撃となる。業界団体であるインド製薬連盟では「すでにインドの製薬メーカーは40以上の工場を米国で稼働させており、研究開発や雇用創出に貢献している」と反発。多くの製薬会社が「直ちに米国内での生産に切り替えるには巨額のコストがかかり、製品価格の上昇につながる」と懸念を表明しているが、一方で2年の猶予期間で生産拠点を米国に移すことを検討するメーカーもある。28年8月というタイミングは次期大統領選挙の直前ということもあり、政治的意図も見え隠れする。

【9】7/24 米政府が通商法301条に基づき、インドや中国、欧州連合(EU)などからの輸入品に10~12.5%の関税を課すと発表
 米最高裁が2月に「相互関税」を違憲としたためのつなぎ措置だった「代替関税」が同日に期限切れを迎えることに伴う決定。米国の輸入額の99%を担う60カ国・地域のうち、インド、カナダ、英国、パキスタンなど17カ国・地域には10%の関税を適用。強制労働による産品の輸入規制措置を設けていないとされる43カ国・地域については12.5%を適用している。EUには10%の特例措置を適用、中国はこれを適用せず12.5%とした。ただ、USTRは日本などへの追加関税も検討しているため、国・地域によってはさらに関税率が引き上げられる可能性もある。

【10】7/10 バングラデシュ前首相、今年12月ごろの帰国の意向を表明

バングラデシュのシェイク・ハシナ前首相(78)がロイター通信に対し、今年12月ごろに帰国するとの意向を伝えた。ハシナ氏は建国の父ムジブル・ラフマーン初代大統領の娘で、前与党アワミ連盟の党首。公務員採用で独立戦争の闘士の子孫を優遇する政策に反発した学生らの抗議デモが先鋭化して大規模な反政府運動に発展。ハシナ氏は24年8月に隣国インドへと脱出し事実上の亡命生活を送っていた。政変後のバングラデシュ特別法廷は抗議デモを武力弾圧したハシナ氏に対して「人道に対する罪」で死刑判決を言い渡している。

バングラデシュ国内ではハシナ氏をかくまって身柄引き渡しに応じなかったインドに対する反感が強まっており、同国における少数派のヒンドゥー教徒がヘイト暴力の被害を受けるケースも相次いでいた。26年2月の総選挙では元最大野党・バングラデシュ民族主義党(BJP)が圧勝。同党党首でカレダ・ジア元首相の息子タリク・ラフマーン氏が首相に就任している。

≪解説≫
バングラデシュ民族主義党(BNP)率いる新政権にとって、経済成長とともに重要な課題は一刻も早い「国民和解」だ。この点で、ハシナ政権で弾圧されたBNP主導の新政権によるハシナ氏への死刑判決は政治的報復の色が濃く、後々に禍根を残しかねない。ハシナ氏の帰国が実現した場合、タリク・ラフマーン新首相らバングラデシュ新政権はもちろん、ハシナ氏の後ろ盾となってきたインド政府がどのような対応を見せるかが要注目だ。

【11】英国・インドFTA(英印包括経済・貿易協定=CETA)が7/15に発効。
 22年1月に交渉を開始し、25年7月に正式調印していた。英国はインドからの輸入品の99%で関税を廃止。インドは英国からの輸入品の64%で関税を即時撤廃、その後段階的に対象を拡大する予定。25年度、英国との二国間貿易額は約480億ドル。今後インドからの衣料品や水産物の輸出が増える見通し。

【12】6月の乗用車販売台数

〇印自動車工業会(SIAM)発表…38.8万台(yoy+24.1%)
・マルチ・スズキ 14.7万台(+23.8%)で首位、ニューモデル投入や25年9月に実施したGST(消費税)税率引き下げなどが寄与

〇印自動車ディーラー協会連合会(FADA)発表…41.0万台(+28.6%)
・マルチ・スズキ 16.7万台(+38.4%)
・タタ自動車 5.7万台(+11.8%)
・マヒンドラ&マヒンドラ 5.4万台(13.8%)
・現代自動車 4.4万台(+12.7%)
・トヨタ・キルロスカ 2.8万台(+7.8%)  など

(文責 山田剛委員)