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配信日:2004年11月10日

第31回「リーダーシッププログラム」
日本についての洞察と印象

オーストラリア国立大学 国際関係部
博士課程

マリー・スピード


(財)貿易研修センターは、本年9月6日から11日にかけて、世界10ヶ国から、政界、経済界、学界の有識者15名を招聘し、第31回「リーダーシッププログラム」を実施した。このプログラムは、参加者が現下の日本を直接体験できるように、政治家、行政官や学者によるプレゼンテーション、東京、名古屋、京都における主要企業訪問や現地視察で構成されている。


 日本の経済、産業について、参加者は、日本は不景気から堅調に回復しているようだとコメントしているが、経済を成長軌道に戻すためには、多数の課題に対応する必要があるとも認識している。これらの課題には、高齢化社会、サービス、低迷する国内消費、労働市場における女性の受入体制、人口移動、自由化、戦略的焦点・構想の必要性、海外直接投資(FDI)に対する開放性、国際分業が含まれている。参加者の一人は、FDIについて、外国企業を誘致するために、例えば、他のアジア諸国と比較して高額な日本の生活費を補填するための優遇税制措置等、財政・規制面での対策がより必要であると述べている。世界の投資家の注目を得るために、対象となる産業を明確にし、投資誘致政策を至急に作成する必要があるとしている。また別の参加者は、海外の投資家が、日本の魅力を過小評価し、中国へ向かないように、もっとPRをすべきだと提案している。この点について、参加者の多くが、日本と他のアジア諸国との関係において、その形態・質が、将来の日本企業、ひいては日本経済の競争力を決定する上で、極めて重要な要素であるとしている。GDHのような企業は、“日本における完全に新しいタイプのビジネス”と、企業統治・企業経営のエキサイティングな先進的モデルを代表するものとして高い評価を得た。

 日本の政治、社会、文化について、参加者は、日本は“変化の過程にある社会”であるが、“伝統と現代性のバランスを保とうとしている”と理解している。(将来の日本経済の“原動力”である)日本の若者をこのプロセスに従事させることは特に重要とみなされており、それには“より国民の要求に応える政府”が、再び日本の若い世代の目を政治に向けさせるためには必要であるのだろう。また、日本の高齢化問題や少子化問題が懸念されていることは明らかであるが、その解決策は未だまとめられていないと指摘している。同時に、日本の“素晴らしい”伝統文化は、日本が将来への新しい道を探す上で、真の力の源泉であると感じられている。

 概して、参加者はプログラムを通じて、“グローバル化の中で、変革に直面している日本社会の複雑な幾何学”という新鮮で刺激的な印象を受けた。


 
 
 

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