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シリーズ:「地域の活性化(5)」 『TOKAI VISION~世界最強のものづくり先進地域を目指して~』の推進 経済産業省 中部経済産業局 総務企画部 企画課長 新藤 公人【配信日:2016/03/31 No.0253-1003】

配信日:2016年3月31日

シリーズ:「地域の活性化(5)」
『TOKAI VISION~世界最強のものづくり先進地域を目指して~』の推進

経済産業省 中部経済産業局 総務企画部 企画課長
新藤 公人


 東海地域では、世界最強のものづくり先進地域として発展していくことを目指した地方版成長戦略「TOKAI VISION」が策定され、推進されています。その概要と進捗状況を紹介します。


1. はじめに
 東海地域は、我が国産業の競争力の源泉とも言える自動車産業を中心とした世界屈指のものづくり産業が高度に集積した地域です。総面積、総人口、事業所数、域内総生産などは全国に占める割合が概ね1割強の経済圏ですが、製造品出荷額でみると全国の四分の一を占めており、我が国随一の「ものづくり圏」となっています。
 しかしながら、経済や産業活動のグローバル化の進展、少子高齢化に伴う国内市場の縮小傾向など、経済・社会情勢が大きく変化しつつある中、これまでと同じことを続けていたのでは産業の空洞化や競争力の低下につながるおそれがあり、既存の自動車産業の更なる高度化とともに、高度なものづくり基盤をベースにした多様な次世代産業を創出していくことが地域の大きな課題になっています。
 『TOKAI VISION~世界最強のものづくり先進地域を目指して~』は、こうした課題に対応するとともに、将来にわたって東海地域が世界的なものづくり地域として発展していくために、東海地域の5県3市(長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、静岡市、浜松市、名古屋市)、経済界((一社)中部経済連合会、名古屋商工会議所)、大学(名古屋大学)をメンバーとする東海産業競争力協議会がとりまとめた地方版成長戦略です。
 東海地域においては、協議会の各メンバー、中部経済産業局を含む国の地方出先機関、関連支援団体等がこのビジョンに基づいて様々な支援策を展開し、将来的に「世界最強のものづくり先進地域」として発展できるよう日々取り組んでいます。
 以下、このTOKAI VISIONの概要と、その推進状況等についてご紹介します。

2. 「4つの戦略産業」と「ものづくりマザー機能」の強化
 TOKAI VISIONでは「自動車関連産業」「航空機産業」「ヘルスケア産業」「環境産業」の4つの産業分野を東海地域の戦略産業として定め、強化を図ることとしています。
 「自動車関連産業」は言うまでもなく東海地域の中心となっている産業であり、今後も世界をリードし、拡大・多様化が見込まれる世界市場を獲得することが期待されています。
 「航空機産業」については、東海地域は事業所数、従業者数、生産額において全国の約5割を占める等、我が国随一の産業集積を形成しており、地域ではこうしたポテンシャルを生かして、欧米先進地域と肩を並べる「アジアNo.1クラスター」として成長・発展することを目指しています。
 また東海地域には医療機器の生産金額が全国の25%を占めるなど「ヘルスケア産業」の集積もあり、さらには、ものづくり産業の発展に伴って集積した「環境産業」の高度な環境技術にも強みを有しています。
 これらに加え、東海地域には自動車関連産業等、強固なサプライチェーンの中で部品供給等を通じて強い技術力を身につけたサプライヤー企業も数多く集積しています。
 そこでTOKAI VISIONでは、こうした企業群の連携・つながりによる「ものづくりマザー機能」を4つの戦略産業強化を下支えする重要な柱として位置づけ、戦略産業とともに強化を図っていくという方向性が示されています。これは他地域の地方版成長戦略にはみられないTOKAI VISIONの最大の特徴になっています。

3. 地域資源の活用による地域経済の活性化、サポート環境の整備
 さらに、東海地域には伊勢神宮や飛騨高山等数多くの魅力的な観光資源を有し、農林水産業も盛んで、陶磁器などの地場・伝統産業も多く存在しています。
 TOKAI VISIONでは、こうした地域資源を発掘し、磨き上げ、ビジネス展開していくことで地域の魅力を高め、地域経済の活性化につなげていくことを、戦略産業の強化と並ぶ大きな柱として位置づけています。
 また、人材、技術、産業基盤などの事業環境整備や、国際化戦略の展開についても、戦略産業強化や地域資源活用に共通するサポート環境として進めていくこととしています。

4. これまでの取組状況等
 TOKAI VISIONに基づきこれまで様々な取組が行われていますが、その中でも代表的な事例として挙げられるのが「コンポジットハイウェイ構想」の推進です。
 これは、炭素繊維複合材料に関し、自動車、航空機など川下企業が集積する東海地域と川上の繊維・機械関連企業が集積する北陸地域が連携して、名古屋大学、岐阜大学、金沢工業大学、三大学の研究拠点を中核に地域の公設試等によるコンソーシアムを設立し、産業界の求める多様なニーズに応える研究開発・人材育成のプラットフォームとなる場を提供することで、研究開発から生産・加工・組立までを行う世界に冠たる一大拠点・産業集積の形成を目指すものです。平成26年11月のコンソーシアムの設立以降、専門のコーディネーターによる産産・産学の研究開発や事業化に向けたマッチング、海外企業・研究機関等との相互交流、川下ユーザー等のニーズや技術開発動向に関するセミナーや先行する企業の成形・加工現場の見学会の開催、地域内外の企業が有する技術に関するシーズ集の作成と情報発信等、産学官が一体となった取組が活発かつ着実に進められています。
 
5. 今後の展開
 TOKAI VISIONについては、その具現化に向けて60超の項目で構成されるアクションプランが別途策定されており、また、常に実効性が確保できるよう、継続的に検証や見直しを行いながら、地域一丸となった取組を進めています。
 中部経済産業局においても、このビジョン&アクションプランに基づき、地域企業の競争力強化や他分野展開への支援、サポート環境の整備などに今後とも積極的に取り組んでいく予定です。

<東海産業競争力協議会の詳細(TOKAI VISION報告書、同アクションプランも掲載)>

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