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連載 キーワードで知る日本 「太陽光発電普及策の見直し」 【配信日:2015/11/30 No.0249-0993】

配信日:2015年11月30日

連載 キーワードで知る日本
「太陽光発電普及策の見直し」

 太陽光や地熱など再生可能エネルギーから生み出した電気を予め決められた価格で電力会社が買い取る「固定価格買い取り制度」が見直される。この制度は東日本大震災による東京電力福島第1原発事故後、再エネ普及を加速させるため2012年7月に始まった。しかし、買い取り価格が高く設定された太陽光発電に想定を上回る事業者の大量参入を招いてしまった。このため、経済産業省はコスト抑制と再エネ導入拡大の両立を目指し、合理的な価格設定や入札制度を使った透明性のある仕組みに改める考えだ。

 政府は2030年度の最適な電源構成(ベストミックス)として、電力全体に占める再生可能エネルギーの比率を22~24%と原子力発電(20~22%)を上回る水準まで引き上げる方針。資源エネルギー庁は「もはや再エネは基幹的な電源のひとつに位置付けられた」(幹部)と言い切る。従って、より合理的な価格で安定的に発電・供給する体制の整備が欠かせない。

 買い取り制度の導入に伴い、電気料金に賦課金を上乗せする形で消費者は再エネ普及に必要なコストを負担している。賦課金は2015年度で約1兆8400億円、標準的な家庭(月間使用量300キロワットアワー)では毎月470円が電気料金に上乗せされる計算になっている。

 太陽光の買い取り価格は当初、1キロワットアワー当たり40円と他の再エネに比べて最も高く設定され、「太陽光バブル」と呼べるような事業者の参入ラッシュを招いてしまった。しかも、再エネ買い取り対象として認定された太陽光発電設備8300万キロワット分のうち、まだ未稼働の設備が4000万キロワット以上も残っている。高い売電価格を保証された設備の稼働が今後増えれば賦課金=国民負担はより大きくなる。認定だけ取得し、実際には発電事業を開始せず、権利を転売する業者もいるようだ。

 経済産業省は2015年9月から買い取り制度の見直しを議論する小委員会を開き、太陽光への集中是正と賦課金の抑制に向けた検討を重ねている。具体的には、メガソーラーを対象に、高い価格競争力を持つ事業者を基準に買い取り価格を決めて他の事業者にコスト改善を促す「トップランナー方式」や価格入札制度の導入、家庭での太陽光発電を対象に、買い取り価格を毎年一定比率で低減させる仕組みを導入する方向性がほぼ固まっている。

 経産省は2015年中に制度の改正案をまとめ、来年の通常国会に関連法案を提出する構え。新たな価格決定方式は2017年度以降に運用が始まることになる見通しだ。

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