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連載 キーワードで知る日本 「メコン産業開発ビジョン」【配信日:2015/10/30 No.0248-0989】

配信日:2015年10月30日

連載 キーワードで知る日本
「メコン産業開発ビジョン」

 日本政府は、急速に工業化が進むメコン地域5カ国(タイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー)との間で「メコン産業開発ビジョン」をまとめた。この地域と関係の深い日本が触媒役となり、5カ国の強みを伸ばし、地域全体の中長期的な経済成長を後押しするのが狙いだ。

 メコン地域は中国、インド、ASEAN(東南アジア諸国連合)の中心に位置し、周辺エリアを含めた人口は計30億人を超える。メコン地域を起点に巨大な経済圏が誕生すれば、日本企業にとってメリットは大きい。

 メコン産業開発ビジョンは2015年8月、クアラルンプールで開かれた日メコン経済閣僚会議で採択された。このビジョン実行により、2016年から2020年までの5年間で200億ドル(約2.3兆円)、メコン地域の国内総生産(GDP)を2%相当押し上げる効果が期待されている。

 ビジョンの方向性を国別に概観すると、経済面で地域のリーダー的存在であるタイは既存の産業集積を活用し、産業構造の高付加価値化を進める。ラオスは豊富な水資源を利用した精密機械、ミャンマーとカンボジアは労働コストの安さを武器にした縫製業に加え、中国やインドに近接する地の利を生かした運輸・部品産業の育成に期待がかかる。ベトナムは9000万人を超える人口を生かして、内需の拡大、さらに自動車や電気・電子産業で外資の誘致を進める。

 その上で各国は「近隣国とのパートナリング」「高度な産業構造への足掛かりの構築」「地域のバリューチェーンを支えるインフラ・リソースの強化」という3つの戦略に取り組む。

 「近隣国とのパートナリング」では、アジア広域FTAの推進や通関の円滑化を通じて貿易構造の改善を目指す。経済面で連携が遅れていると指摘されるインドの需要取り込みが重要な課題となる。

 「高度な産業構造への足掛かりの構築」では、研究開発能力の底上げに力点を置く。経産省の分析では、カンボジアやラオスで研究開発に従事する技術者の数はインドネシアやマレーシア10分の1以下にとどまる。大学同士や産学間の連携を進めて現状の打破を狙う。

 「地域のバリューチェーンを支えるインフラ・リソースの強化」は物流インフラの近代化が最大のポイントだ。特にミャンマーには、隣接地域とつなぐ道路網に加え、インド・中東との貿易拡大に欠かせない大型港湾施設の整備を求める声がビジネス界から多く出ている。エネルギー・環境では日本の技術支援によって高効率石炭火力発電など質の高い発電インフラを整え、不安定な電力供給を改善する。その際、国境を超えた電源開発、電力の融通も課題に挙がっている。

この記事は専門のジャーナリストに執筆をお願いしています。
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