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カンボジア「若手リーダー」の日本訪問記【配信日:2015/02/27 No.0240-0964】

配信日:2015年2月27日

カンボジア「若手リーダー」の日本訪問記


 貿易研修センター(IIST)は、日本とメコン地域国との経済関係を一層強化するため、2014年11月、在カンボジア日系企業の有望な若手人材5名を招聘し、東京・茨城・愛知・京都において、「若手グローバル人材育成交流事業」を実施した。参加者は、全6日間の本プログラムにおいて、「先端技術」、「顧客志向」、「現代と伝統との融合」といった日本企業の強みや独自性について学び、日本的ビジネスに関する理解を深めると同時に、歴史的施設の見学等により日本産業の背景にある文化、伝統についても知見を広げた。

 以下は、各参加者が本プログラムに参加して最も印象に残ったことをまとめたレポートの抜粋である。


サム テコン
パナソニック株式会社 カンボジア駐在員事務所 マネージャー

 このプログラムで私たちは、文化と伝統、手作業と自動作業、軽工業と重工業、古い技術と新しい技術といった様々な特徴を持つ8つの企業を訪問した。

 プログラムで最初に学んだのは、時間厳守である。日本でビジネスをするにあたって時間の厳守は非常に重要である。プログラムのオリエンテーションでは日本の歴史、文化、社会について学んだ。そしてカンボジアと日本の経済関係についても学んだ。

 企業訪問の中で最も印象的だったのは次の3つの要素である。

1. 先端技術: 日本が世界でも有数の技術大国であるのは周知の事実である。訪問したほとんどの企業で目立ったのは生産ラインへのロボット技術の導入である。例えば株式会社クボタでは部品の組み立てにロボットを使用している。ロボット技術は独自の製品を時間通りに製造できるという点で非常に興味深い。

2. 新旧技術の融合: 今回の訪問で私は、日本を高品質な製品を作る国へと導いたもう一つの重要な要素を見出した。日本は先端技術を駆使しつつ、今でも伝統的技術をモノ作りに活用しているのである。オークマ株式会社は、「マザーマシン」とも呼ばれる工作機械の製造企業であり、先端技術を駆使しながら製品の安定性、正確性、耐久性を確保するために、今も製品に手作業による加工(きさげ)を施している。

3. 環境保全: 日本企業のほとんどはビジネス戦略や研究開発の中に環境要素を組み込んでいる。例えば東レ株式会社は、金属に比べ軽い炭素繊維複合材料の開発に取り組んでいるが、自動車製造では一部の金属部分をこの素材に置き換えることが可能である。環境保全は世界中の産業において大きな課題であり、人々の生活にとっても非常に重要である。

チア ソク ケアン
丸紅株式会社 プノンペン事務所 プロジェクトコーディネーター

 私はIISTのプログラムで日本国内の3地域を訪問する機会に恵まれた。東京、愛知、京都である。各地域にはそれぞれの産業的特色が見られた。私は多くの企業を訪問した。全プログラムを通じて最も印象深かったのは、ハイテク製品が徹底した品質管理と安全対策の下で製造されるところを見学したことだった。

 プログラムの内容は、まさに私が期待していた通りだった。全ての訪問先において、先端技術を駆使し生産性の高い日本の職場環境に直接触れることができた。

 株式会社細尾は伝統的な繊維企業である。同社は世界的な需要に対応するために伝統的な独自手法を用いて、新しくてユニークでありながら高い品質を維持した商品を生み出している。

 私はプログラムを通して日本の先端技術に最も魅せられた。日本には、近い将来こうした先端技術をカンボジアにも導入して欲しい。

マム チャニアン
住友電装株式会社(カンボジア)製造部 アシスタント・セクションマネージャー

 私はプログラムを通じ多くの会社や施設を訪問し多くを学んだ。先端技術革新と開発、高品質、環境保護、個人の尊重、コスト意識、安全へのこだわりといった、日本企業の国際競争力の源として広く認められる要素に感銘を受けた。

 株式会社前川製作所への訪問では食肉加工機械に強い印象を受けた。一時間に1000羽の鶏の脚骨を取り除くような機械を今まで見たことがない。非常に効率的である。この機械はまた操作性も高い。作業員が立ったまま操作できるように設計されている。株式会社浜野製作所では、1000種類もの精密部品を製作する有能な技術力を持つ10年以上勤務しているエンジニアたちに非常な感銘を受けた。多くの若者を惹きつける職業ではないとしても、浜野はその高い技術力で製造業と医療産業を支える企業として成長している。東海道山陽新幹線総合指令所では、新幹線の正確な自動制御システムだけではなく、そこで働く職員にも心を動かされた。職員は乗客の安全に対する強い責任感を胸に自らの職務に全力を注いでいた。現場職員の多くは二日の休日をはさむ24時間シフトで勤務していた。株式会社クボタではトラクターとエンジンを組み立てるロボット装置に驚かされた。他にも資材を自動的に製造ラインに運ぶ機械があった。このような技術は非常に有能で正確である。私が働く工場でも活用されればと期待する。オークマ株式会社では「百の褒め言葉より一の苦言を尊ぶ」という企業理念に興味を抱いた。この企業にとって、一顧客からの苦言が他の顧客により良い製品を提供するためのイノベーションの源泉の一つだという意味である。オークマは従業員のノウハウとスキルを社内で開発して来た。

ソク スィエヴ
モロフジ株式会社(カンボジア)オフィスマネージャー

 このプログラムを通じ、私は視察先から学び、経験を得た。例えば私たちのグループは企業に到着するとまず微笑みと素晴らしい歓待を受けた。こうした歓迎は私たちに訪問先の社員に対する親しみを抱かせるものだった。

 工場見学で私を魅了したのはそれぞれの工場の構造だった。各フロアや敷地は用途ごとにはっきりと区切られている。例えば、通路、加工場、生産ライン、倉庫、最終製品検査場というように。ロボットを使用して生産する工場もあった。ロボットの稼働中、作業員は安全確保のために鉄の壁で隔離されている。労働環境は非常に清潔で、作業施設の雰囲気に良い影響を与えている。企業によっては工具、機械、器具に作業員の写真とIDを表示しているところもあった。このような表示は作業員の責任感を高め、またより丁寧な道具の使用に結びつくと考えられる。

 私たちは工場見学だけでなく京都の名所旧跡を訪れる機会にも恵まれた。清水寺は様々な色合いの紅葉で素晴らしい眺めだった。寺へ続く坂道には伝統的な様式で飾りつけられた店が多く建ち並んでいた。私は美しい光景に感動し、いつかまたここを訪れたいと思った。

 このプログラムで私は、日本では顧客を第一とするビジネススタイルが広く受け入れられていることに気が付いた。

ソイ ファレン
中山商事株式会社(カンボジア)会計担当

 私にとってプログラム参加は、技術分野で有名な日本のビジネスと社会について理解を深める、驚くような体験となった。私はまた日本の料理を楽しむことができた。

 このプログラムの中で、産業オートメーションと電子部品のグローバル企業であるオムロン株式会社(オムロンコミュニケーションプラザ)を訪問した。オンライン自動現金支払機と自動改札システムを世界に先駆けて製品化した会社である。私のような発展途上国からの人間にとって、日本のあらゆるところでさまざまな機械が使われているのを目の当たりにするのは素晴らしい体験だった。

 株式会社クボタでは来日前に思い描いていた全てが目の前で実現されていた。人の代わりに多くのロボットや機械が作業をしていた。これまで見たことのないような巨大工場だった。ほとんどのロボットはシステム制御されている。トラクターの生産能力は1日300台を超える。大変な数である。京都では名所旧跡を訪れ日本の歴史を学んだ。さらに京都ではもみじといちょうの紅葉を心から楽しんだ。本当に見たことのない美しさだった。

 このプログラムは非常に役立つものだった。日本のビジネス、技術、歴史について理解を深め、多くの知識を得ることが出来た。私はこの知識と経験を全ての同僚と共有するつもりである。最後に、このプログラムに参加する機会を与えてくれたIISTに感謝の意を表したい。

(原文英語)



この事業は競輪の補助金を受けて実施しました。


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