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ミャンマー「若手リーダー」の日本訪問記【配信日:2014/01/31 No.0227-0919】

配信日:2014年1月31日

ミャンマー「若手リーダー」の日本訪問記


 貿易研修センター(IIST)は、日本とメコン地域国との経済関係を一層強化するため、本年度から若手人材の交流促進を目的とした「アジア新興市場国との交流促進事業」を開始した。初回は、2013年12月にミャンマーから、企業関係の若手5名を招聘し、東京、名古屋、京都でプログラムを実施した。参加者には専門家との意見交換や企業訪問を通じて、日本との2国間関係、「高品質」、「ハイテク」、「安全」といった日本企業の強みや独自性、また、その背景にある日本の歴史や文化に対する理解を深めてもらった。以下は、各参加者が本プログラムに参加して最も印象に残ったことをまとめたレポートである。
※この事業は競輪の補助金を受けて実施しました。


ジェイサットコンサルティング社 常務取締役 シニアコンサルタント
イー ケイトゥエ カイン

 我々はプログラムを通じ数多くの興味深い場所を訪れたが、いずれの場所でも私は驚かされた。印象に残る経験の一つが、東海道・山陽新幹線総合指令所訪問だった。それは本当に衝撃的だった。この訪問で私は多くを学んだ。

 東海道新幹線の最高速度は250~270km/hである。しかし脱線、衝突といった列車事故による乗客の死亡、傷害は開業以来一件も発生していない。2011年の東日本大震災時においてさえである。年間の平均遅延は運行列車当たり0.6分。総合指令所は心臓部であり、どんな小さなミスも許されない。全職員が常に細心の注意を払って職務を遂行しなければならない。

 新幹線のホームで列車の到着を待っている間に、そろいのピンク色の制服を着た女性グループも、列車を待っているのに気付いた。世界的に有名な新幹線清掃スタッフである。私は彼女らを「ピンクレディー」と呼ぶことにした。乗客がすべて列車を降りるとピンクレディーが乗り込み、仕事に取り掛かる。その作業は驚くほど素早くプロフェッショナルだった。7分後に車内は、清潔で整頓され出発可能な状態になっていた。列車の時刻通りの運行に彼女らは寄与しているのである。日本人のレベル高い作業と技術が見て取れる。

 日本では皆に知ってもらいたい衝撃的な光景を数多く目にした。現在我々はまだ立ち遅れている。我々の生活と国家を発展させるためには、日本人の仕事に対する精神を学ばなければならない。

NTTデータ ミャンマー社、財務部 シニアアカウンタント
ハネファ ダウッド

 文化はどの社会にも存在する。それは行動、価値観、信条に基づき習得された、独自の規範である。日本は、豊かな文化遺産と、他国に見られない多くの慣習にあふれた稀有な国である。非常にユニークで、賞賛に値し、見習うべき面を持つ。IIST主催の「ミャンマー若手リーダー招聘事業」は、日本の産業と社会の文化を経験、習得する機会を私に与えてくれた。私が気付き、高く評価した最も印象的な特徴は、現代ビジネス社会においても伝統的価値観を保持していることと、時間厳守である。

 日本では、尊敬と名誉を非常に大切にする。日本のビジネス文化では、礼儀と作法が重要な要素である。他国とは異なり、日本の商談は心のこもった挨拶とお互いへの敬意を示す応対で始められる。さらに、お辞儀、名刺交換、手土産の受け渡し、接遇作法などの知識は商談に際して欠かせない。

 時間厳守は、日本人が非常に高く評価する商談成功の重要要素である。日本では、10分早くなければ遅れていることになるという。時間通りあるいは少し早めが日本人にはあたりまえである。日本の鉄道輸送は、時間厳守の顕著な一例である。高速鉄道である東海道新幹線の平均遅延時間は、年間を通じてわずか0.6分である(2012年)。

 日本についてはこれまで、最先端の技術を有し、豊かな文化を持つ先進国と聞いたり読んだりするのみだった。今回、(勤務先である)NTTデータ ミャンマー社のCEOと、IIST各位の心温かい取り計らいでプログラムに参加し、日本を訪れた。そこで日本を成熟と繁栄へと導いた、印象深く尊敬に値する日本人の資質と価値観を体験する機会に恵まれたことを感謝したい。

ミャンマー商工会議所連合会 中央執行委員会メンバー
UKDワールドクラスインターナショナル社 社長
キャウ デワ

 最初に、我々のような発展途上国の若者にとって、日本の発展が非常に魅力的なものであることを伝えたい。ビジネスと経済に対する日本人の勤勉な取り組み方は羨ましい限りである。

 我々にとって、日本社会の伝統的価値観(即ち、恥、慎み、思慮、謙遜、質素、忍耐、孝行、人間性、正義、礼儀)、5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)、3S(作法、しっかり、しつこく)は、注目に値する。

 プログラムは系統だって構成されていた。我々が発展途上国から来た若者であったにもかかわらず、IISTの専務理事ほかから直接VIP対応を受けた。プログラムを通じて宿泊施設は素晴らしく、訪問先の人々は敬意をもって我々を迎え、それぞれの事業について説明してくれた。私は非常に感謝している。

 忘れられない経験は、株式会社大林組を訪問し、東京スカイツリー完成までの効率的な建設期間、作業員の100%の安全確保や、揺れの制御機能に使われる「心柱」技術などを学習したこと。そしてもちろん東京スカイツリーを訪問したことである。

 日本経済が世界各国の中で、「アベノミクス」によってますます豊かな進歩と発展を遂げることを求めてやまない。

ミャンマー若手企業家協会 執行委員会メンバー
マンダラー ミン エクスプレス社 会長
ライ ライ エイ

 2013年は人生で最良の時の一つになった。IIST(一般財団法人貿易研修センター)からプログラム受入れ通知が届いたとき、私はとてもうれしかった。研修プログラムは「ミャンマー若手リーダー招聘事業」という。MYEA(ミャンマー若手企業家協会)の代表として参加機会を得たのは大変な幸運である。

 プログラム中最も印象的な経験は、東海道・山陽新幹線総合指令所訪問だった。JR東海の中核事業は東海道新幹線である。私の専門分野は都市間交通である。従って私は、この企業の体制だけではなく、サービス内容、業績などにも興味があった。私のビジネス分野への知識の応用が可能だからである。

 今回の初来日で毎日数多くの経験をした。日本の産業は技術発展の成果で形成された。大規模なインフラ整備によって運輸及び観光産業が発展した。

 日本企業は、主に自社の研究施設で研究開発に注力してきた。そして新手法の開発に成功した。既存の構造を代替し強化するような刷新である。これにより、最新の機器設備とともに、作業効率を向上させた。また環境への配慮も行っている。

 現在、地球温暖化は緊急の課題である。ビジネスを行うにあたっては、環境にやさしいプロジェクトにすることが必要である。それは我々全てにとって有意義となる。日本企業を訪問すると、各社とも環境分野を推進していた。日本には、健全なライフスタイルを後押しする文化が、しっかり息づいている。

 日本政府は、持続可能な産業活動を念頭に置いている。平穏で、美しく、愛される自然環境を確保するエネルギー政策を目指している。

 このようにして、私は各企業の最新技術を目にすることができた。この経験を自分の組織とビジネスに役立てることもできる。日本を訪問する人は、安全、最新技術、規則正しさ、環境への配慮、そして友情を経験するだろう。

 「IIST、MEYA、UMFCCI(ミャンマー商工会議所連合会)にありがとう」の言葉をもってこの記述を締めくくりたい。

DIR-ACEテクノロジー社 オフショアセンター プロジェクトマネージャー
ピイ ソー モウ

 ミャンマーが新興国になる遥か昔、日本とミャンマーの関係は「特別関係」あるいは「歴史的友好関係」として知られ、アジア諸国の中で最も強いものだった。ミャンマーと日本の関係を(再び)強固にし、両国間ビジネス活動発展のための理解を深める目的で、IIST(一般財団法人貿易研修センター)は「ミャンマー若手リーダー招聘事業」を立ち上げ、ミャンマー各分野のリーダーを招待した。

 私はこのプログラムを通じ、日本の文化と歴史について数多くの知識と経験を得た。プログラム冒頭のオリエンテーション・セッションにおけるアジア経済研究所(IDE-JETRO)の工藤年博主任調査研究員とIISTの赤津光一郎専務理事によるプレゼンテーションの内容は、私にとって非常に印象的で興味深いものだった。ミャンマーと日本の過去の関係がどうであったか、なぜ日本がミャンマーの発展支援に非常に熱心なのかが理解できた。正直なところ、工藤氏、赤津氏のプレゼンテーションで示された事実には、私の知らないものもあった。プログラムの全参加者にとっても真に貴重な内容であったに違いない。

 株式会社大林組、その他大手企業とのディスカッションと、トヨタ産業技術記念館、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)、株式会社堀木エリ子&アソシエイツの和紙ショールームへの訪問では、斬新なアイデアと絶え間ない維持管理を通じて、自国の文化を保持することの重要性について、多くを考えさせられた。結論として、「ミャンマー若手リーダー招聘事業」は、充実したディスカッションとプログラム構成で、非常に印象深いものになった。


ミャンマー若手リーダー招聘事業参加者とIIST赤津氏、福良氏
(原文:英語)


関連ページ
平成25年度 ミャンマー若手リーダー招聘事業


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