| トップページ |この記事のカテゴリー: IISTの活動 |
IIST e-Magazineのバックナンバー:| カテゴリー検索 | キーワード検索 | 記事一覧 |
2010年度以前 (IIST ワールドフォーラムメールマガジン) のバックナンバー:| キーワード検索 | 記事一覧 |

  • このエントリーをはてなブックマークに追加


IIST e-Magazine (本記事の英語版はこちら)

IIST沖縄インダストリアルツアーに参加して 2011年10月5日~7日 | オーストリア大使館 公使 トーマス・ロイドル【配信日:2011/11/30 No.0201-0820】

配信日:2011年11月30日

IIST沖縄インダストリアルツアーに参加して
2011年10月5日~7日

オーストリア大使館
公使
トーマス・ロイドル


 (一財)貿易研修センターは、在京の外交官を対象に、沖縄の地域経済や文化を紹介する沖縄インダストリアルツアーを10月5日~7日に実施いたしました。この度、ご参加いただいたオーストリア大使館のトーマス・ロイドル公使に、ツアーの所感をご寄稿いただきました。


 東京に赴任する以前から、沖縄と琉球諸島は私の想像力をかきたてる存在でした。 亜熱帯の島々が、日本の本土と東南アジア、そして中国を結んでいます。琉球諸島は、強大な近隣諸国とのバランスをとることにその歴史の大半を費やさなければなりませんでした。
 琉球王国は数百年間にわたってはるか遠くの外国との貿易を支配し、沖縄の人々は独特の文化を生み出しました。 現在、沖縄県は経済や開発の点で本土に遅れをとっています。 沖縄県はその立地条件から、日本と地域全体にとって戦略的な重要性を持っています。
 アジアと欧州の大使など11人の外交官で構成される私たちのグループは単独で移動し、那覇空港でIISTのオーガナイザーと合流しました。
 私たちのツアーは、内閣府沖縄総合事務局局長と沖縄県副知事への表敬訪問からスタートしました。 沖縄総合事務局と県庁への訪問で沖縄の行政システムを知り、今後の沖縄開発に向けた総合事務局と県の実績と課題の概要を掴むことができました。
 その日の午後は、残った時間で那覇市の空港にある全日本空輸の貨物基地施設を訪問しました。 香港、上海、ソウル、台北などの近隣都市の空港に一番近い場所に日本の貨物輸送を集中させるという構想には、なるほどと唸らされました。貨物便はすべて早朝に運航するため、私たちが訪問したとき基地は残念ながらガラガラでした。 この基地は2年前にできたばかりとのことです。
 初日は歓迎レセプションで幕を閉じました。全員が郷土料理に舌鼓を打ち、現地の踊りを教えていただき実に楽しいひと時を過ごしました。
沖縄県金型技術研究センター

沖縄県金型技術研究センター

 2日目は、うるま市の特別自由貿易地域、沖縄県金型技術研究センター、沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センターへの訪問で始まりました。
 新たに日本企業だけでなく外国企業も誘致するため、特別自由貿易地域では優遇税制が敷かれています。 金型技術などの確立された生産技術だけでなく、バイオテクノロジーや医薬品を含む健康関連生産技術など有望な新産業にも重点が置かれています。
 多くの熱帯の島と同じく沖縄本島のエコシステムも大変デリケートです。 急速な人口増加、経済発展、観光客の増加の影響で環境(特に新鮮な水資源)に負荷がかかっています。私たちが2日目の午後に訪問した北谷の沖縄県企業局海水淡水化センターは、かねてからの水不足を克服し、増大する沖縄の水需要に対応するために建設されました。 島のエコシステムが抱える環境問題に日本が先進技術で取り組む様を興味深く拝見しました。
沖縄県企業局海水淡水化センター

沖縄県企業局海水淡水化センター

 2日目の次の訪問先は研究機関でした。この研究機関が始動した暁には、新しい有望な研究分野の研究拠点へと成長し、沖縄県のさらなる発展に貢献することでしょう。
 沖縄科学技術大学院大学(OIST)のキャンパスは素晴らしい自然が広がる場所にあります。この秋にそのOISTが現実のものになろうとしています。
 日本はOISTの創立に向けて多大な予算と知的リソースを投入しました。これは沖縄の開発目標を実行に移すためでもあり、新しい有望な研究分野のリーダー的存在として日本を位置づけるためでもあります。
 私がOISTに関心を持った理由はほかにもあります。 OISTの教授陣にはオーストリアの研究者も加わっています。オーストリア政府は、同様のコンセプトと目的のもとに、OISTに匹敵する研究機関をウィーンの郊外に作りました。 ですからOISTの学長予定者にお話を伺ったときに、この2つの研究機関の間に多くのつながりがあると聞いても私は驚きませんでした。

沖縄科学技術大学院大学


沖縄科学技術大学院大学

 ツアーの2日目は万国津梁館訪問で終わりました。 沖縄の国際的な知名度を上げた2000年のG8サミットはこの場所で開かれました。
 ツアーはたちまち最終日を迎えました。最終日は(長寿県にまさにふさわしい)地元ウェルネスセンターと、(主に中国からの)医療ツアーにも重点を置き、ガン予防に注力する那覇市空港近くの複合医療施設への訪問に充てられました。
 この2カ所を訪問する間に、私たちは沖縄本島でかなりの距離を移動しました。そして、那覇市に残る数少ない昔ながらの通りに沿って、首里城公園へ向かう坂を昇っていきました。 首里城は最近復元されたものですが、首里城訪問は、古き沖縄を垣間見るという意味で、今回のツアーの中でも最高の機会になりました。 沖縄本島での私たちの2日半は、この重要な文化遺産の見学で見事に締めくくられたのでした。
 東京のオフィスで今回のインダストリアルツアーを振り返りながら、沖縄訪問の機会を作ってくださったオーガナイザーの皆様方に心より感謝しております。 経済的な観点からは、さまざまな施設の訪問で、日本が定評ある製造業だけでなく、バイオテクノロジー、クリーンエネルギー、ライフサイエンスなど新たに発達しつつある部門においても先進国であるという私の見方は確かなものになりました。
 沖縄本島をバスで移動する間に、広大な土地が軍事施設に使用されている様子を目の当たりにし、この島が担う特別な役割とその役割に関わる問題を今はより深く理解できるようになりました。 文化的観点からは、那覇以外の場所も旅して、東京の外交界の外で地元の方々と触れ合う貴重な機会を今回のツアーで得ることができました。
 IISTの皆さま、私たちのツアーを効率よく完璧に企画してくださった関係者の皆さまにこの場を借りて厚く御礼申し上げます。 また、豊富な情報を持ち、私達を楽しませてくれた通訳の方には、沖縄の人々とその文化の特徴を私たちに紹介してくださったことを深く感謝いたします。
 全体像を掴むのに3日間は決して十分な時間とは言えません。ましてや沖縄のように多様で興味深い地域を3日で理解することはできません。 しかし、今回のツアーは短時間の見学ではありましたが非常に興味深いものでした。もう一度現地を訪れ、もっと体験してみたいという気持ちが募っております。

(原文:英語)


関連記事
平成23年度 沖縄インダストリアルツアー
平成23年度(沖縄地域):万国医療津梁に係る海外協力関係構築及びプロモーション事業 (中国ミッション派遣事業)
IIST e-Magazine No.0201-0819 「2つのプログラムで沖縄を支援」
IIST e-Magazine No.0201-0818 沖縄の地域活性化への取り組みについて(万国医療津梁の推進に向けて)


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
(本記事の英語版はこちら)


| トップページ |この記事のカテゴリー: IISTの活動 |
IIST e-Magazineのバックナンバー:| カテゴリー検索 | キーワード検索 | 記事一覧 |
2010年度以前 (IIST ワールドフォーラムメールマガジン) のバックナンバー:| キーワード検索 | 記事一覧 |