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沖縄の地域活性化への取り組みについて(万国医療津梁の推進に向けて) | 内閣府沖縄総合事務局 経済産業部 企画振興課 企画振興課長 玉城 秀一【配信日:2011/11/30 No.0201-0818】

配信日:2011年11月30日

沖縄の地域活性化への取り組みについて(万国医療津梁の推進に向けて)

内閣府沖縄総合事務局 経済産業部 企画振興課
企画振興課長
玉城 秀一


沖縄地域経済の発展のための新たな産業創出を目指した産医学官のネットワーク活動からウェルネスアイランドOKINAWAへ


1.はじめに
 ~真のOKINAWAブランドをめざして~、内閣府沖縄総合事務局は、2010年3月末、今後10年先を見据えた沖縄の持続的発展に向けた基本的な考え方や経済産業政策の方向性を示した「沖縄地域経済産業ビジョン―中間報告―」を取りまとめました。その中で、強化すべき産業として沖縄ウェルネス産業や沖縄・感性文化産業等7つの分野を掲げ、それらを具現化する取組を進めているところです。中でも沖縄ウェルネス産業の創出については、沖縄の強みを最大限発揮できるものとして、優先分野と位置づけ具体的目標設定等を踏まえ検討を行いました。

「沖縄地域経済産業ビジョン」における強化産業 (404KB)

 これは、政府が、2010年6月に閣議決定した、「新成長戦略~「元気な日本」復活のシナリオ~」の中の、「ライフ・イノベーションによる健康大国戦略」及び沖縄県が策定した、「沖縄21世紀ビジョン」での「ライフサイエンス、医療・健康分野の最先端技術を応用した新産業の創出を図る」と連動しています。
 「沖縄ウェルネス産業」とは、沖縄地域が持つ独自の生物資源、長寿の島としてのブランド力や温暖な気候などの優位性を活かした、医療・健康サービス産業、健康バイオ産業を包括した産業を意味しており、この中には、国内外との医療交流と元気な地域づくりを実現する医療生活産業が含まれています。とりわけ、我が国の国家戦略プロジェクトとして位置づけられている「国際医療交流」は、医療サービスを外国人に対しても行い、さらに国際貢献に繋がる医療人材育成・技術交流を活発化させるとともに、その周辺産業の活性化も促しつつ、医療の質の向上、基盤強化に資するものです。つまり、国際医療交流の推進は、沖縄ウェルネス産業の創出にとって重要な要素であり、これにより、地域医療サービスの向上や健康バイオ産業の育成に繋がっていくと考えます。これについては、2010年6月に沖縄の有識者、経済界、医療機関、行政機関等の構成メンバーで設置された「沖縄ウェルネス産業研究会」(座長:岩政輝男国立大学法人琉球大学学長)で検討が行われ同年10月末に報告書として示されているところです。

2.沖縄における国際医療交流としての万国医療津梁
 沖縄には、かつてアジア地域との交易で繁栄期を築いた琉球王国の歴史があります。また、日本で唯一亜熱帯に属する風光明媚な自然環境や医食同源の考え方に基づく独特の食文化や長寿の島としてのブランド力などが世界的にも注目を集めています。
 このようなイメージや沖縄が持つ様々な地域資源は、医療をはじめ、介護、福祉、癒しまでを含めた統合的なヘルスケアを国内外からの来訪者に提供する際の強みとなります。そして、これらの資源に、世界的にも高い水準にあると評価される医療技術やサービスが加味されることによって、沖縄オリジナルの総合的な健康サービスが提供されるものと思います。これらのサービスは国内外の来訪者のみならず、医療従事者にとっても大きな魅力となるものであり、医療を通じた国際貢献も期待されます。
 このような観点から、今後沖縄が進める国際医療交流を、「沖縄が医療・健康を通じて世界の架け橋となる」との意を込めて、琉球王国時代を象徴する万国津梁にあやかり「万国医療津梁(ばんこくいりょうしんりょう)」と名付け、これを推進しています。

3.動き出した「万国医療津梁」
 本年6月20日、沖縄観光の高度化への貢献も含めて、財団法人沖縄観光コンベンションビューローを事務局とした「万国医療津梁協議会(会長・岩政輝男国立大学法人琉球大学学長)」(以下、万医協)が設立されました。
 万医協は、国際医療交流を政策的に後押しする役割を担い、沖縄県や市町村といった行政機関のほか、大学等の人材育成機関、医療機関、健康サービス事業者、観光リゾート事業者等、様々な機関や企業など87事業者・機関が参画・加盟し、お互いに連携しつつ、仕組み作りや新たなサービスの提供に向けた様々な取り組みを行っています。

万国医療津梁協議会の設立(平成23年6月) (372KB)

4.万医協の主なミッション
◆取り組み1「沖縄県経済の活性化に資する新たな制度の提言」
 万医協では、本年7月27日、万国医療津梁を速やかに展開するとともに、より効果的に推進していくために必要となる新たな制度等(「外国人観光客への緊急医療体制の充実」など4項目)について、仲井眞沖縄県知事に対し制度提言書を提出しています。

◆取り組み2「中国との国際医療交流を目指した北京ミッション」
 万医協では(一財)貿易研修センターとの共催により、本年8月7日~10日、北京ミッション団(団長・上運天昂財団法人沖縄観光コンベンションビューロー常務理事)を組織し、北京に派遣しました。同市においてセミナーを開催し、万国医療津梁をPRするとともに、中国との国際医療交流の可能性について調査を行いました。セミナーへの参加者は130名余を数え、中国における国際医療交流への関心の高さが示されました。また、中国国務院衛生部や国家旅遊局等、政府機関とも精力的に会談するなど、国際医療交流拠点としての沖縄の優位性を積極的にアピールしました。
 今後、今回のネットワークを活かしつつ、中国との医療交流の一層の活発化、協力関係の構築を図っていく所存です。


◆取り組み3「新たなサービスメニューの開発等」
 万医協会員である(株)おきぎん経済研究所を中心に、医療機関、観光事業者、通訳事業者等が連携して、医療と観光が融合した新たなサービスメニューの開発に積極的に取り組んでいます。本年度中に、ロシア人や中国人などを沖縄にお招きして、沖縄に優位性があるとされる「リハビリテーション」や医師の指導、アドバイスの下で医療、食事療法、運動等様々な面から適切なサービスを提供する「メディカルスパ」を受けながら観光を楽しむ新たなサービスメニューを提供する実証事業を展開することになっています。

5.終わりに
 このように、産医学官が一体となって万国医療津梁の推進に係る様々な活動が行われているとはいえ、その取り組みは始まったばかりです。今後、万国医療津梁を大きく発展させ、沖縄の地域活性化に繋げていくためには、万医協として、そのネットワークを活かして魅力的なサービスメニューの開発、プロモーションなど関係者が一丸となって、イノベーションを興す必要があります。
 内閣府沖縄総合事務局としては、「万国医療津梁」に込めた会員の思いをしっかりと受け止め、万医協の活動を引き続き積極的に支援していく所存です。沖縄県では今後の経済成長に向け、主力産業である観光の将来像としてインバウンド観光に力を入れることとしています。海外来訪者の増加に向けた体制整備に向け、ハード・ソフト様々な取り組むべき課題がありますが、沖縄滞在中における緊急時医療ケアは避けて通れぬものの一つです。外国人が安心して沖縄と交流する若しくは観光する上で如何に安心して沖縄を満喫できるか、その仕組みを作り上げていくのも万医協の使命です。新たな産業を創出するために、沖縄県民一人一人が「万国医療津梁」に関心を持っていただき、積極的なホスピタリティの提供を心がければ、世界中からウェルネスアイランドOKINAWAと呼ばれる時がきっとくるでしょう。
 本年10月5日~7日にかけて、(一財)貿易研修センター主催の在日大使館の大使以下、11ヶ国の外交官をお招きした沖縄インダストリアルツアーが実施されました。当局もこれに協力し、沖縄において将来有望な産業の実情を紹介しました。その中にも、国内はもとより外国人の人間ドックやPET診断を積極的に受け入れる医療機関や障害者等に対するイルカセラピーを実施している施設を視察先に組み込みご案内したところです。沖縄ウェルネス産業の振興に当たっては受入体制の充実など課題もありますが関係者の意欲により確実に前進してりおります。外交官の方々から沖縄の魅力と同産業の強みを海外へ広く発信していただけることを願ってやみません。


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