概要報告
オンライン日印対話
「インド太平洋の経済・安全保障の新情勢と日印協力の可能性」
(「経済安全保障グローバルフォーラム・ウィークス」イベント)
開催日時:2025年12月2日(火)19:00~21:00(日本時間)/オンライン(非公開)
主 催:一般財団法人 国際経済連携推進センター(CFIEC)
協 力:インド安全保障戦略研究所(CSDR: Council for Strategic and Defense Research)
参 加 者:(敬称略)
日本側 久保 文明 防衛大学校校長
伊藤 融 防衛大学校教授
豊福 健一朗 マルチスズキ取締役
中川 コージ インド管理大学ラクナウノイダ公共政策センターフェロー
インド側 ハッピモン・ジェイコブ CSDR所長
アショク・カンター 元中国駐在大使
ラジャット・カスリア シヴナダル大学人文社会学部長
【議論の主なポイント】
1.米中の動向と日印関係のあるべき姿
米国はインド太平洋地域の安全保障やQUADへのコミットメントを弱めているが、トランプ政権は予測困難。他方、米国の消極性とは対照的に中国はインド太平洋地域で積極的に政治的・経済的連携を推進している。
日印はルールに基づく国際秩序を重視する安定的なパートナーであり、安全保障面で関係を強化すべきである。例えば、地域情勢に関する意見交換など対話を積極的に進める必要がある。
2.日印経済関係
インドの対中関係は国境紛争などの政治的問題から経済的問題に変容。対中貿易赤字は大きな問題であり、EVなどの過剰輸出は将来的に脅威となる見通し。中国はレアアースに30年以上前から着手し、世界市場をほぼ席捲。現在、中国は新エネルギー(新型炉)開発に注力。日印はこうした状況を見据えた対話も強化すべき。
投資面では多くの日本企業がインドに進出しているが、タイ等に比べるとまだまだ伸びる余地がある。例えば、防衛産業分野でインドが産学連携支援を進めており日本からの参画に期待。経済連携では複数国間の連携に加え、中国の参加していないCPTPP等への参加に期待。