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コロナの先の世界(24) デジタルニューノーマル:コロナ時代のEU―ブリュッセルからの寄稿 デジタル・ヨーロッパ 政策ディレクター パトリス・シャゼラン 【2020/08/03】

コロナの先の世界

*原文は英語。以下仮訳につづいて原文を掲載

(24) デジタルニューノーマル:コロナ時代のEU―ブリュッセルからの寄稿

掲載日:2020年8月3日

デジタル・ヨーロッパ 政策ディレクター
パトリス・シャゼラン

 パンデミックの名にふさわしく、COVID-19危機は世界にあまねく痛手を与えている。EU/EEA及び英国で報告された感染者数は1,585,334人、死者数は179,433にのぼり、まさにヨーロッパは大きな代償を払っている。

 経済面では、ユーロ圏のGDP成長率は2020年第一四半期にマイナス3.8%となった。より詳細にみると、そこにも典型的なEUのパッチワーク性が反映されている。フランスのGDPが年成長率でマイナス11.4%であるのに対し、ドイツはマイナス6.3%にとどまるということだ。

A 精神面における現状

 おそらく、我々の未来に向けてそれ以上に決定的なことは、(新型)コロナの犠牲者、その影響により打ちのめされた家族、経済的打撃によって被った精神面における混乱である。

1. 最近まで、我々は、進歩は飛躍的かつ未来永劫続くと信じるようになっていた。デジタル革命とは、止めることのできない改善をもたらし、悪いことに影響を受けず、なにか良いことがあれば美化され、不滅であるとされてきた。それがどうしたことか!太陽に近づき空から落ちたイカロスのごとく、我々は多くを求めすぎたのかもしれないとさえ感じるようになった。

2. 厳しいロックダウン中、我々の多くは、心の中で難破船の「デッキチェアを並べ直す」ことを余儀なくされた。「この後(=ポストコロナ)」という架空の世界をぼんやりと描き、とりとめもない希望を妄想する。かつての世界が戻らないのであれば、この際、コロナの波に乗って改めて白紙(tabula rasa)から未来を描いてはどうか?つまり、適切な法的枠組みがグローバル規模で策定されれば、渋滞や公害の解消された、よりテクノロジー志向の社会が急に現実味を帯びてくる。

3. ロックダウンが徐々に解除され、ポストコロナも、以前と大して変わらないようにみえる。だが、経済活動はコロナ前より桁違いに縮小している。デジタル技術が明らかな勝利を得ると期待した向きもあった。なぜなら、デジタル技術により、何とか業務継続ができたこともあり、完全に経済が止まる事態は避けられた。にもかかわらず、フランスの新内閣発表の日(7月6日)に担当閣僚は生まれなかった。2020年7月から12月に議長国を務めるドイツが、月並みのICT優先項目に加えて「デジタル外交ネットワーク」なるものを思いついたに過ぎない。同様に、国連のSDGsに対応する高尚なグリーン計画も、人命と経済再建が地球環境より重要視される中、頓挫する可能性がある。

B 得られた教訓

1. デジタル技術はいかに素晴らしいものであれ、かつてない規模のアウトブレイクを予測したり、ましてや予防や克服をしたりすることもできなかった。悲しいかな、ICT(感染対策チーム)は万能薬ではなかったのだ。我々は、痛い目にあって人間の命が大切であることに、改めて気づきつつある。このウイルスで亡くなった多くの犠牲者たちは、臨終のときに多くのセンサーや信号音を発する機器に囲まれていた。しかし、愛する家族たちは、その手を握り看取ることすら許されなかったのである。

COVID-19の被害はとりわけ介護施設において致命的であった。ヨーロッパ全体において、介護施設でのコロナ死亡率は50%を超えた。ノルウェーでは64%、アイルランドでは55%だった。このような惨状を目の当たりにして、高齢者のお世話をすることができない社会、まともな葬儀をすることができない社会などというのは、他の動物よりも無神経で人間性に欠けるという発言を招いた。今回の集団としてのトラウマが癒えるには時間がかかるであろう。そうした中で、日本による人間中心の新しい社会を提唱する「Society 5.0」戦略が見直されている。

2. 信頼が失墜した。このウイルスはあらゆる専門家を悩ませただけではなく、不意をつかれた政府にも何が正しくて何が間違っているのかを判断する隙も与えず、その結果、政府は国民に適切な方向を示すことができなかった。先が見えないことにより、フェイクニュースが氾濫し、いかなる情報源も信頼できないという風潮が蔓延した。相対的に見れば、明らかに混乱してかじ取りを失った政府よりは、民間企業の方が少しばかり良かった。民間企業は、自らの保有する工場を人工呼吸器やマスクといった緊急医療物資を生産するために転換し、優先順位に応じたサプライチェーンの調整を行い、至る所に協力体制を確立した。彼らの歓迎すべき実用主義的焦点は、人々のヘルスデータ共有への態度を変えることにつながるだろうか?おそらく、そうはならない。今回の危機によって、コロナ危機前に先頭を走っていたデジタル組と、電子医療の遅れ組の差はさらに広がったように見える。ギリシャも後ろを走っていたが、「デジタル国家」と言われるエストニア並みの素晴らしい結果を出している。結果、後ろを走っていた国々の政府は、先頭組に追い付くための時間という贅沢を手にいれたかもしれない。

3. パンデミックは大きな分断を引き起こすことが分かった。パンデミックによって、人と人、そしてコミュニティのかかわり方が完全に変容した。密を避けるためのソーシャル・ディスタンシングや罹患された方の厳格な隔離による衝撃があまりにも厳しくのしかかり、今後どのように復帰させていくのか、予測できるものは現時点で誰一人もいない。これからも、人々はお互いに距離を置き続けるのだろうか?それとも、失われた時間を取り戻すべく、密に群れて、第二波の流行を引き起こすのだろうか?教育は復興のカギの一つではあるが、リモート授業が行われたために、貧しく環境を整えられない学生と、裕福な学生とのデジタル格差が広がった。

C コロナ時代のEU: 未来を占う

1. ちょっとしたテフロン効果と呼ぶなら、今回の大災害を経験して、国家が堂々と復帰したと言える。EPC (European Policy Centre) のCEO、Fabian Zuleeg氏が、最新のコメントで述べている。
Going beyond the Single Market: Why Europe must become a Single Economic Territory (SET)

欧州各国政府は、民間企業よりも国民とより緊密でサステナブル関係を持っていることが認められる。イノベーション創造、成長、雇用創出、サイバー攻撃への対応がいかに重要とはいえ、しょせん民間企業の関心事は株主の意向であるとみられている。対照的に、政府は、より多様な国民によって付託された、国民のための任務を負うものであり、その報告・会計基準は企業よりも高く設定されている。

もう一つ紹介したい記事。
The economic impact of COVID-19 on the EU: From the frying pan into the fire

Fabian Zuleeg氏は、比較的弱い政府がより重い責務を負わされてしまう中心的逆説を議論している。「多くの民間部門の責任が公共部門の責任になり、銀行や金融部門における政府の関与は確実に常在化するだろう。(中略)金融政策は、いわゆる実体経済の諸課題を積極的に対処するために使われる機会が増えていくであろう。」

2. 弱体化した加盟国が今まで以上の荷を背負わされる時、協力以外に選択肢が残らないとZuleeg氏は示唆する。「主要な教訓は、直感的には国家レベルへ集中が進み、より大きな主権と自立へ向かうと感じるときに、少なくとも欧州においては、最良の答えが協力の拡大にある」

残念ながら、政治において論理は意味を持たない、少なくともEUにおいては。
それでも、EU指導者たちは、五日間に渡る悩ましい存在意義問題の議論を終えたばかりで気持ちも新たにしているであろう。今回の危機で我々はより強くなるのか、または、Brexit(英国のEU離脱)という地震にゆられたばかりで、ここから連合がほころび始めるのか?7月21日、欧州理事会は野心的な復興計画を承認した。
210720-euco-final-conclusions-en.pdf

復興対策の大部分を支えるのがNext Generation EU (NGEU)というゲームチェンジャー的プログラムである。これは、EUに代わって、総額7,500億ユーロを欧州委員会が借入・返済するものである。内訳は、最大3,600億ユーロを融資向け、そして多年次財政枠組み(MFF) を通じて最大3,900億ユーロの歳出を可能にするものである。

第二の柱であるMFFについては、最大1兆743億ユーロの予算設定となっている。
五日間のサミットでは、倹約四か国(オーストリア、デンマーク、オランダ、スエーデン)が大勢に異議を申し立てた。盲目的財政厳格主義と文脈次第で連帯主義との戦いで割を食ったのは、もともと、医療、気候、デジタルに配分されていた投資枠だった。我々は喜んでEUの強化を称賛するが、「分析麻痺」を忘却できない、あるいは許せない者もいるのである。彼らがいうには、ベルギーという、一千万の住民が5つの連邦地域で管理される国(フラマン語地域、フランス語地域、ドイツ語地域、ワロン語地域、ブリュッセル首都圏地域)の独立記念日に、この合意が結ばれ発表されたことは似つかわしい。なぜなら、まれにみる自作のベルギーの複雑性が、EUにもそのまま反映されたのだから、と彼らは言っているのだ

3. 金融法制定の次は、規制が課題となるであろう。加盟国によってスピ―ドに差はあるものの、EUは長い間デジタル路線を歩んできた。しかし、ヨーロッパのデータドリブン社会が成功するためには、レッセフェール(自由放任主義)と監視の間に新たな道を切り拓く必要がある。さらに、AIを使った意思決定の実効性ある規制を決めていく必要がある。車輪を一から発明し直しても意味がないし、解決策はグローバルである必要性もあることから、我々は日本の「Governance Innovation」からインスピレーションを得るべきである。
GOVERNANCE INNOVATION
Redesigning Law and Architecture in the Age of Society 5.0


ちなみに、既に7つのフランス規制当局がデータドリブン規制で実験的に導入をしている。
NEW REGULATORY
MECHANISMS

これからはグローバル

 簡潔に言えば、COVID-19危機によって、EUは、「よくやった」と自画自賛をする一方で、満身創痍の傷をなめている。Brexitの傷も癒えぬうちに、中国の高まる自己主張によって新たな傷口が開いた。EUの慢性的準備不足と優柔不断さ、行動力のなさは中国と対照的だ。パンデミックのおかげで、ソフトパワーの限界が透けて見えた。張子の虎で脅しながら価値観を輸出することがどうして可能なのか?究極のリトマス試験が香港である。EUはとても試験に合格したと言えない。EUの上級代表Josep Borrell氏が、我々の直面するジレンマをこのようにまとめている:「ヨーロッパは原則に立つ(principled)べきだが、独善的(dogmatic)であってはならない。開かれてはいても、脆弱であってはならない。進歩的であってもナイーブであってはならない。我々は可能な場合はいつも多国間で行動し、必要な場合には自立的に行動することを求める。」

 いかに困難であろうとも、EUにとって最善の選択肢は多極的世界であることに変わりはない。「開かれた戦略的自律」がどんなにもてはやされても、自由貿易が普及しなければならない。同様に、G7とG20の重要性はこれまで以上に増しており、サミットが実効性ある声明を出すことを願う。

 実力以上の過大な責務を付託された弱体加盟国がある一方で、かじ取り不在のアメリカとあまりに予想通りの行動をとる中国、その間に挟まれたEUには、「EUのニューノーマル」ともいうべき姿に変容していくほか道はない。一つだけ確かなのは、EUスタイルの「デジタルニューノーマル」がそのために最重要ツールになる。ただし、ますます御しがたい加盟国といよいよ権威主義的傾向を強める大国の狭間でつぶされない限り、である。セマンティクスはさておき、域内市場委員のThierry Breton氏は、「ニューノーマル」とデジタルトランスフォーメーション(DX)については、同様の考え方を持っているように見受けられる。
Speech by Commissioner Thierry Breton at Hannover Messe Digital Days

 未踏の原野を拓き、ともに進むことができるかは、ICT業界、ICTが生み出した様々な産業界、市民社会そして仲間たりうる(like-minded)貿易相手国次第である。それこそ、国際経済連携というCIEC (国際経済連携推進センター) の掲げる精神に拠って立つか否かにかかっている。


Digital New Normal : Impressions from Brussels

Patrice Chazerand

As would befit a pandemic, the Covid-19 crisis left no region of the world unscathed: with 1,585,334 cases and 179,433 deaths reported in the EU/EEA and the UK, Europe has paid a heavy price.

On the economic front, GDP in the euro area contracted by 3.8% in the first quarter of 2020. A more detailed breakdown reflects a typical EU patchwork: French GDP is expected to contract by 11.4% on an annual basis vs 6.3% in Germany.

A/ A mental state-of-play

More critically, perhaps, for our future, casualties, devastated families, and economic crunch have turned minds upside down.

1/ We had come of late to believe in exponential, neverending progress. The digital revolution ended up rhyming with unstoppable improvement, immunity to anything evil, gratification with anything good, immortality included. What a shock! Like Icarus falling down from the sky, we now feel like we have soared too close to the Sun.

2/ While strictly enforced lockdown compelled most of us to "rearrange the deck chairs" in our mind, a myth started "The day after" took shape as a kind of unwritten aspiration feeding wild hopes: since the world is never going to be the same, how about upping the corona ante, proceeding from tabula rasa and reinventing our future? Less traffic, less pollution, more technology suddenly looked within reach, provided we come up with the right legal framework at global scale, that is.

3/ As lockdown is gradually lifted, the day after looks very much like the day before, only an order of magnitude below in terms of economic performance. Some expected digital technology to come out as a clear winner since it kept a modicum of operations running, thus avoiding a complete standstill: alas, it didn’t even make it to the new French cabinet on the day of announcement (6 July) and only inspired the German presidency of the Council of the EU (July-December 2020) to toy with a "digital diplomacy network" on top of rather run-of-the-mill ICT priorities. Likewise, lofty green plans mirroring the UN SDGs, may fall by the wayside as saving humans and jump-starting the economy takes precedence over saving our planet.

B/ Lessons learned

1/ Digital technology, however amazing, failed to predict, let alone prevent or cure this outbreak of unprecedented magnitude. ICT is no panacea, sadly. We are rediscovering the hard way that human lives matter: many victims of the virus died surrounded by a slew of sensors and beeping devices whereas their loved ones were banned from holding their hand as they passed away.
COVID-19 has indeed proved particularly deadly in nursing homes: more than 50% mortality rate across Europe, with 64% in Norway, 55% in Ireland. This carnage is horrendous enough to inspire comments suggesting that a society unable to care for its elders or to secure decent burial rites is more insensitive, less humane than some fellow animal species. Such a collective trauma will take time to heal. If anything, it vindicates Japan’s human-centric Society 5.0 strategy.

2/ Trust has gone down the drain. Not only has the virus given experts of all shades a rough time, it has caught by surprise governments unable to tell right from wrong, hence to provide citizens with proper directions. Uncertainty running rampant in turn fed a steep upsurge in fake news, thus priming the pump of widespread distrust of any source of information. All things being relative, business came out in a slightly better shape than obviously overwhelmed, rudderless governments: they converted industrial plants to produce emergency medical equipment like ventilators or masks; they adjusted supply-chains to address priorities; they secured connectivity throughout. Will their welcome focus on practicality change people’s attitude toward health data sharing? Probably not. While the crisis seems to have widened the gap between pre-Covid-19 digital front-runners and eHealth laggards, Greece, which belongs to the latter group, performed as brilliantly as Estonia, the "digital nation": as a result, those governments lagging behind may tend to grant themselves the luxury of time to catch up.

3/ The pandemic has proved very divisive. It has radically challenged interpersonal and community interactions. The impact of social distancing and strict isolation is so severe that no one can tell at this point where the recovery is heading: will people keep shying away from each other ? Or will they be keen to make up for lost time and form packed crowds likely to trigger a second wave of contamination? In education, a key driver of recovery, the digital divide has widened as remote teaching left a lot of poorer, suboptimally equipped students behind their more fortunate peers.

C/ The EU in times of coronavirus: reading through the crystal ball.

1/ As if afforded a bit of ‘Teflon effect’, the State is back with a vengeance following this massive shipwreck. Fabian Zuleeg, CEO, EPC, argues this much in his latest commentary :

Going beyond the Single Market: Why Europe must become a Single Economic Territory (SET)

European governments are found to have a closer, more sustainable link with people than business. However indispensable to churn out innovation, foster growth and jobs, and fight off cyber-attacks, the private sector is seen as fixated on keeping their shareholders happy. In contrast, governments cater for a broader remit designed by and for more diverse constituencies, and subject to more stringent reporting and accounting.

In another piece The economic impact of COVID-19 on the EU: From the frying pan into the fire Fabian Zuleeg expands on the central paradox that weaker governments end up loaded with much heavier remits : "Many private sector liabilities will become public liabilities, with the involvement of governments in banking and the financial sector most likely becoming a permanent fixture... Monetary policy will increasingly be used to tackle ‘real economy’ challenges proactively."

2/ Weakened Member States burdened with considerably heavier loads have no choice other than working closer together, as Fabian Zuleeg suggests : ≪ The key lesson is that at a time when many instincts point to a greater focus on the national level and greater sovereignty and self-reliance, the best answer lies in greater cooperation, at the very least at the European level."

Logic, alas, has no bearings in politics, at least in the EU.

Regardless, EU leaders are fresh (pun intended) from five days addressing this nagging existential question: will this crisis make us stronger, or will the Union start unraveling, hot on the heels of the Brexit earthquake? On July 21, the European Council approved an ambitious recovery plan :

210720-euco-final-conclusions-en.pdf

The bulk of the recovery measures will be powered by a game-changer, the Next Generation EU (NGEU) programme with financial firepower of €750 billion, borrowed and paid back by the Commission on behalf of the EU, intended to feed loans up to €360 billion and expenditure up to €390 billion via the instruments and programmes of the Multiyear Financial Framework (MFF).

As to the second pillar, the MFF, it includes commitments up to €1,074.3 billion.

The 5-day Summit pitted the ‘Four Frugal’ (Austria, Denmark, the Netherlands and Sweden) against most of their partners: investment originally earmarked in health, climate and digital took a beating in this fight between blind fiscal rigor and context-driven solidarity. While we gladly celebrate a stronger EU, others cannot forget or forgive the show of ‘paralysis by analysis’: it is fitting, they argue, that a deal was reached and announced on the National Day of a country, Belgium, whose 10 million inhabitants are managed by a five-layer federal system (Flemish Community, French Community, German-speaking Community, Walloon Region and Brussels-Capital Region), a rare sample of self-inflicted complexity, they say, mirrored in the EU construct.

3/ Once we get our financial act together, regulation will be the next challenge. Although some Member States move faster than others, the EU has long steered a digitally-powered course. But for European data-driven communities to succeed, we need to cut an independent path between laissez-faire and surveillance. We also need to decide on effective regulation of AI-enabled decision-making. Because it serves no purpose to reinvent the wheel, also because workable solutions to this effect have to be global, we should take inspiration from Japan’s "Governance Innovation" GOVERNANCE INNOVATION Redesigning Law and Architecture in the Age of Society 5.0 Incidentally, seven French regulators have already experimented with data-driven regulation:
NEW REGULATORY MECHANISMS

Global is the way forward

In a nutshell, the COVID-19 crisis has left the EU torn apart between self-congratulation – to the tune: "We did well after all" – and licking its many wounds: those generated by Brexit are not healing, new ones opened with China, whose growing self-assertiveness contrasts with the EU’s chronic unpreparedness and inability to decide fast and act together with no reservation. The pandemic helped see through the limits of soft power : how can you export values with a paper tiger of a sanctioning arm? Hong Kong is the ultimate litmus test in this respect, and the EU can hardly pretend they passed muster at this stage. EU High Representative Josep Borrell thus encapsulates the dilemma we are confronting: "Europe should be principled but not dogmatic. Open but not weak. Progressive but not naive. We seek to act multilaterally whenever we can and autonomously if we must."

A multipolar world, however challenging to handle, remains the best option for the EU. Free trade must prevail, even as ‘Open strategic Autonomy’ is all the rage. Likewise, G7 and G20 do matter more than ever, hopefully eliciting Summits’ statements with teeth.

Squeezed between weakened Member States entrusted with inflated remits that might prove bigger than they can chew, on one hand, and, on the other hand, a rudderless US and an all too predictable China, the EU has no choice but to reinvent itself into what might be called « the EU New Normal ». The only certainty is that a EU-style «Digital New Normal » is a prime tool to this effect, lest we might get crushed between growingly unruly Member States and increasingly authoritarian super-powers. Semantics aside, Thierry Breton, Commissioner in charge of the Internal Market, seems to be on a similar wavelength as regards the ‘New normal" and digital transformation :

Speech by Commissioner Thierry Breton at Hannover Messe Digital Days

It is up to the ICT industry, ICT-enabled industries, civil society and like-minded trading partners to design and tread this uncharted path together, true to the spirit the CIEC stands for, i.e. International Economic Collaboration.


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