インドネシアのデジタル規制の状況

インドネシアのデジタル規制の状況
掲載日:2020年4月

1. 国の概況

▶ 人口世界第4位でASEANの3分の1を擁す大国であり、生産年齢人口も2020年代にピークに達する見込みであり、豊富な労働力が市場に供給される。
▶ 経済成長に伴い増加した中間所得層の購買が旺盛である。
▶ 2019年4月に大統領選が行われ、ジョコ・ウィドド大統領が再選された。第2期ジョコウィ政権の優先課題としては、(1)インフラ開発、(2)科学技術分野の人材開発、(3)投資促進、(4)官僚機構の改革、(5)資源依存体質からの脱却を掲げる。

インドネシアの概況

2. デジタル法制の状況

▶ 2017年以降、決済ゲートウェイやECロードマップなどの計画が策定され、中期国家開発計画でもデジタル経済の加速が重点テーマとされるなど、政府はデジタル経済の促進に意欲的である。
▶ 従前より通信網、物流、電力等のインフラ整備は政府の最優先課題の一つであり、全国に光ファイバー通信網を整備するパラパリングプロジェクトが2019年に完成し、通信格差が激しかった地方部の改善に寄与すると期待されている。

【国家戦略・計画】
インドネシア、デジタル法制の状況、【国家戦略・計画】

【デジタル法制】
▶ 2012年制定の電子システム及び電子取引の運用に関する政府規則(政府規則82号)では、サーバーを含む施設の国内設置要求、ソースコード開示請求が明文化されており、データ管理に関しては厳格な規制が敷かれるなど保護主義的な傾向が見られたが、2019年の改正令(政府規則71号)では、対象が公共サービスに限定されたことにより規制緩和の兆しが見られる。ただし、金融セクターについては引き続き、厳しいデータ保管義務が敷かれる見通し。
▶ 包括的なデータ保護の枠組みとして、データ保護法が現在国会で審議中である。現状、個人情報保護については、電子取引での個人情報の取り扱いを規定する電子データ保護規制(2016年)以外に、金融、通信を含む個別分野について32の法規則で定められている。

インドネシア、デジタル法制の状況、【デジタル法制】

1個人情報保護法案(審議中)

3. デジタル化の状況

【インターネットの利用度】
▶ インターネット普及率は64.3%であり、スマートフォン等を介したネット利用は今後もさらに伸びる見込み。
▶ インターネット人口1人あたりのEC金額が7,040円/年2と日本の14分の1程度に留まるが、今後飛躍的に伸びる予測あり。
▶ インターネット人口に対するFacebookユーザー数はタイなど他の東南アジア諸国と同じく多いのが特徴。

デジタル化の状況、【インターネットの利用度】

2レポート内の為替レートは年間平均為替TTB(2018年)より1ドル=110円を適用。

【EC市場規模】
▶ インドネシアのEC市場は順調に拡大するとの推測。2023年には236億米ドルと、2018年の約2倍超にまで拡大する見通し。
▶ 2018年のEC化率(物販全体の市場規模に占めるEC市場規模の比率)は3.8%と、周辺国と比べても高い水準であり、今後も成長する見込み。

デジタル化の状況、【EC市場規模】

【デジタル産業】
▶ スマートフォンの普及により、電子商取引のみならず配車、健康管理、電子決済、投資などアプリを介したデジタルサービスが相次いで誕生し、購買力旺盛な中流所得層の消費活動を刺激し、懸案だった地方部・離島住民の金融包摂が改善。
▶ インドネシアは4社のユニコーンを有しており、東南アジアではシンガポールに次いで多い。インドネシア政府も次なるユニコーン(NextICorn : Next Indonesian Unicorn)創出を目指して支援を行うなど、スタートアップによるデジタルサービス関連の新興が広がっている。
▶ 「1000 Start up program」では2020年までに1,000社の優れたスタートアップを創出し、総額100億ドルの価値の創出を目指す(情報通信省)。

デジタル化の状況【デジタル産業】