第15回「CCJケースメソッド研究会」
概要
日本ケースセンターは、ケースメソッド授業の運営能力の向上を図るため、ディスカッションリードの演習の場を提供し、参加者同士で研鑽する「CCJケースメソッド研究会」を開催している。
日程:2015年11月6日(金)
場所:一般財団法人 貿易研修センター
大学教員、セミナー講師・企業の研修担当者など14名
内容
日本ケースセンターは、ケースメソッド授業の運営能力の向上を図るため、ディスカッションリードの演習の場を提供し、参加者同士で研鑽する「CCJケースメソッド研究会」を開催している。第15回の研究会では、ハーバード・ビジネススクールの日本語翻訳ケース「アップルのデザイン哲学とイノベーション」 と、ハーバード・ビジネス・レビュー誌(ダイヤモンド社:2008年12月号)の掲載記事「IDEOデザイン・シンキング」を副読教材として指定し、設問を事前に用意して、有志のディスカッションリーダーによるケース・ディスカッション模擬授業を行った。
本ケースには、アップルのイノベーション、マネジメント、デザイン哲学へのアプローチなどが描かれており、アップルが世界中で最も革新的な企業として賞賛される今の成功を収めた秘訣と、「めちゃくちゃ素晴らしい製品」開発への探求が描かれている。イノベーションが進まない企業が多い中、アップルの独自性の高いヒット商品を開発するプロセスに通底する「Design Thinking」が注目されており、近年多くの企業にも導入されつつある。本研究会では、アップルにおける「Design Thinking」と、米国のデザインコンサルティング会社IDEOの「Design Thinking」を比較しながら、その本質と導入要件を読み解く試みに挑戦した。
冒頭、ケースリーダーより、今回のケースを選んだ背景を説明した後、4つのグループに分かれて、20分間のグループ討議を行い、続いて全体のクラス討議へ移った。クラス討議の冒頭では、「デザイン哲学/思考(Design Thinking)」の認知状況の確認から始まり、IDEOの「デザイン思考」と対比させ、IDEOとアップルにおける「Design Thinking」に違いがあるか、「デザイン」の概念について、企業としての成長過程においてアップルの「Design Thinking」に変化があったかどうか、事前課題の設問に沿って、討議が進められた。
最後のディブリーフィングは、モデレーターの進行で進められ、今日のケースリードを振り返り、設問の意図やリードの展開、時間配分、討議の各局面での判断などについて振り返りを行った。参加者からは、討議リードについて、忌憚のない意見や改善の提案なども示され、ケースリーダー、討議参加者ともに学びの多い研究会となった。

セミナーの風景
担当:人材育成部